聴覚過敏の子どもたちは、音量を弱めることができず、大きな音も不快な音もそのまま、じかに脳に入れてしまいます。そのため、まるで音の暴力を受けたかのように、反射的に反応して、しばしばパニック状態を起こします。特に自閉症やADHD傾向を持つ子どもたちは、両手で耳を塞いだり、動き回ったり、同じ言葉を繰り返したり、独り言や自分だけの歌を歌ったり奇声をあげたり、さらにひどい時は自傷行為を行うことがありますが、それは自分を守るために、音の容赦ない攻撃を防ぎ、必死で反撃を試みている姿であるといわれています。
また、周波数別ボリュームバランスがアンバランスな子は、声や音の聴き取り辛い部分を聞き取ろうと耳を一生懸命澄まし、澄ましている耳に大きく聴こえてしまう別な周波数の声や音が打撃を与えてしまうことをする日々繰り返しています。これが続くと「聴く事そのもの」が嫌いな事、イヤな事、ツラい事になっていきます。我慢や慣らす事だけではなく、ケアが必要です。
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なんとかならないの?
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トマティス聴覚トレーニングは、音に対する過敏な反応を緩和します。
音に対する骨導の過度な反応を軽減するとともに、中耳の鼓膜張筋とアブミ骨筋に正常な収縮反応を学習させ、音を体(骨導)中心ではなく耳(気導)中心で正しく捉える聴き方を条件付けます。
平均60時間のトレーニングで聴覚の過敏が収まると、入ってくる大きな音も瞬時に適切な音量に調節し、雑音にはフィルターをかけ、必要な音に焦点を合わせることが出来るようになります。周波数別のアンバランスもトレーニングで改善されますので、安心して聴く事ができるようになります。そして徐々に自分の殻から抜け出し、周囲ともコミュニケーションを取ろうとする場合が多く見られます。
トレーニング前後の変化 聴覚にトラブルを持つ子供たちへの取り組み
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■発声・言葉の変化
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■耳の変化
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一生懸命しゃべろうとする
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耳が楽になってきた
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声がよくでるようになった
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うるさくなくなった
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話す意欲がでてきた
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耳を塞がなくなった
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言葉の量が増えた
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耳栓がいらなくなった
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色んな声をだすようになった
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人の話がよく聞えるようになった
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音声が言葉として聞えるようになった
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聞き分けがよくなった
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自分で音を出していたのがなくなった
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周りの反応がよくなった
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自発語がでるようになった
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音に興味を持つようになった
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自分の状況を言葉で表せるようになった
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自分の声が意識できるようになってきた
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長い文章が言えるようになった
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2語文のリピートが上手くなった
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家族以外の人とのコミュニケーションが積極的になった
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発音がよくなった
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イントネーションがつくようになった
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■身体面の変化
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■心理面・その他の変化
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行動が落ち着いてきた
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集中できるようになった(パズル、工作)
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体がリラックス、軽くなった
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おねしょがなくなった(ほぼ毎日あったのが)
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体のバランスがよくなった
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表情が豊かになった
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動作が活発になった
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明るくなった
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腹ばいの時足が交互にでるようになった
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睡眠の改善
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指先を使って遊べるようになった
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偏食の改善
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手の機能がアップ⇒書く
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パニックがなくなった
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ピアノが上手になった
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積極的になった
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じゃんけんができるようになった
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元気になった
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体力がついた
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うるさい中で本を読んでいられるようになった
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舌をよく動かす
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コミュニケーション手段が増えた
(言葉、書く、しぐさ)
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よだれが少なくなった
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絵がうまくなった(細かいところを描くようになった、○を描くのが楽しくなった、人の顔を描くようになった、色を使うようになった)
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