大人の聴覚過敏は、立ち上がったり叫んだりと子供たちほど激しい反応はしませんが、音によって毎日ツラいという点では全く同じです。
バソコンのキーボード音、時計の音、シャーペンのノック音などの小さな音でも、ウルサくてたまらない何とかなりませんか、と仰る方が来所します。家庭内ではそれほど大きなトラブルにはならないようですが、職場などでこれらの小さい音を「ウルサイです」と主張しても他の方の耳にはうるさく感じていないため解ってもらえず、孤立感も強くなってしまう場合が多いようです。
真面目で緊張しがちな方で元々耳の良い方に大人の聴覚過敏は多く見られます。
そういう方が強いストレスを受ける事で、身体中が緊張し、耳の中の鼓膜の動きを司る二つの筋肉(鐙骨筋と鼓膜張筋)の動きが悪くなります。この二つの筋肉が私たちの耳に入ってくる音のボリュームを適正になるようコントロールしてくれていますので、動きが悪くなれば不意に聴こえた大きな音が他の方よりはるかに大きく聴こえてしまいます。また緊張が続く事で耳は音を無視する事が難しくなり、恐怖映画で次の場面がコワイのを解っていて目が離せないのと同じような状態(聞こえてくるであろう恐ろしい音から耳も気持ちも離せない状態)にまでなる方もいらっしゃいます。また調べると骨導音の感度が高くなっている方もいます。これもまた音を適正音量にブロック出来ない聴覚の状態です。
肩・首回りの筋肉まで緊張してしまい、呼吸も浅くなり、不眠、倦怠感、過労などの身体症状が出ている方も多く見られます。
・まずご自分の状態を理解する。
NPO参加センターならご自身の聴覚状態を詳しく知る事が出来ます。骨導音と気導音のバランス、周波数毎のボリュームバランス、左右の聞こえのバランス、左右聞きまちがいの有無、周波数判別能力、聞き耳のチェック。状態を理解する事は、現在感じている不調・不具合を理解する事です。
・聴覚をケアする。
もちろんトマティスメソッドでお抱えになっている聴覚の不具合、アンパランスを整えます。センターに来て頂いても、貸出の機材でご自宅でのトレーニングも、どちらでもお選び頂けます。
・発声をケアする。
トレーニング後はご自分の声で日々耳の調整を行えるように、発声の指導もいたします。聴覚過敏の方はご自身の声を正しく聞き取れていない場合もあり、その事がコミュニケーション不全を引き起こしていることもあり得ますので、正しく、心地よく、楽に声を出し、他者と適正な距離感を持ってつきあえる事を目的として指導する場合もあります。