耳鳴り・めまいへのアプローチ

「耳鳴り・めまいに良く効くXX」と言う広告を、駅前でも、ネットでもよく目にします。困っていらっしゃる方が多いのだなとつくづく思います。

どちらも「体質みたいなものですから」とか「気にしないように、気にするとひどくなりますよ」「まあこんな薬飲んでみますか?」とか、耳鼻科であまり相手にしてもらえなかった、と仰って、私たちのところにいらっしゃいます。

気にするとひどくなると言うのは本当です。痛みを気にしてずーっと痛みのコトばかり考えてしまう人に取って、その痛みは一日の大半自分を苦しめ続けるひどいものです。痛みのせいで一日中痛くて苦しくてツラくて堪え難い、と言うのがこの方の感想です。同じような痛みを持っていてもあまり気にしないようにしようと思って他の事に集中できる人の方が、実際の痛みが大きかったとしても痛みの大きさは小さいモノに感じられます。耳鳴りもめまいも、気持ちがそこに集中しすぎてしまうとその事にとらわれ続け、苦しさは大きくなってしまいます。

 

 

耳鳴りがある場合、鳴り続けるその音を聴くまいとして、その音またはその音のあたりの周波数に対し聴覚神経は感度を落として抵抗します。当然外からの音でもその辺りの音は聴きづらくなります。人の声は様々な周波数の複合音ですから、会話の途中で所々に聴き取りづらさが出ます。この音情報の交通整理をして、「不快な音はあるけれど、それ以外に楽しめる音も美しい音もちゃんと私はキャッチできる」状態になると、耳鳴りそのものは消せなくても気にならなくなるとご感想を頂いています。

 

めまいをお持ちの方は、性格的に真面目でがんばり屋さんな方が多いため、呼吸の浅さ、身体の固さを同時にお持ちの方が多いようです。聴覚のケアをしつつしっかり発声練習をしていただき、ご自身の状態に敏感にかつ柔軟に対応しようとすることで、めまいそのものがなくならなくても楽しい日々を取り戻される方がおられます。